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作品集

絶・景 日高本線
日高の山々と太平洋に挟まれた北海道・日高本線。
1909(明治42)年に苫小牧―鵡川(むかわ)が開通。
その後徐々に延伸し1926(大正15)年に静内までの全長146.5㎞が開通した。
大正時代に建設された路線だけに起伏のある内陸ではなく、太平洋の海岸線に沿って走る区間が長い。
鵡川から静内までは大半が水平線を望みながら走る絶景路線である。
ただそのぶん自然にも近い。幾度にもわたる地震、豪雨による洪水や落石など災害との戦いが
繰り返されてきた。
2015年1月7日から翌日にかけて北海道を襲った低気圧は猛烈な力で日高線を襲った。
高波はいくつもの橋げたを流し、大狩部付近では護岸が流さるほどの被害を受けた。
この影響で路線の大半にあたる鵡川―様似116㎞が運休しバス代行運転となった。
雑誌の取材で訪れた日高線は、澄み切った秋空の下で列車が途絶えた景色「絶・景」を見せていた。
もう死んで(廃線になって)しまう路線かもしれないが、美しく描き残したい。
ミレーの「オフェーリア」を思い浮かべながら三脚を構えた。
不通区間は復旧されることなく2021年3月31日で廃止となった。
廃止をまぬかれたのは最初に開業した苫小牧―鵡川のみであった。
2016年10月 撮影

 









   
 

 



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